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オンラインコーチングの効果を高めるために大切なたった一つのこと

最近では自分に合ったコーチと出会うことのできるプラットフォームなども増え、気軽にコーチングを活用する方が増えてきました。

働き方・働く場所の選択肢も増えている中で自宅やオフィス・コワーキングスペースでセッションを受けることができること、また、人生の舵取りを自ら行なっていく人が増える中で、オンラインでコーチングを利用する方は今後ますます広がっていくだろうと感じています。

でもちょっと待ってください! 本当にコーチングの効果を最大限に活用できていますか!? どこでも受けることができる「気軽さ」を優先して、見落としてしまっていることはないでしょうか。

コーチングファームで様々な企業の方に電話でのコーチングセッションやコーチングのトレーニングを提供し、その後、海外からオンラインでセッションを提供する中で気づいた、「オンラインコーチングの効果が高い人」と「オンラインコーチングの効果が低い人」の決定的な違いをご紹介したいと思います。

これからオンラインでコーチングを受けようと思っている方、現在オンラインでコーチンを受けているけれども、もっと効果を高めたいと思っている方、もしくはオンラインでコーチングを提供しているけれどなかなか効果が上がらないというコーチの方に参考にしていただけると嬉しいです。

前置きが長くなっておりますので、結論を早く知りたい方は4から読まれてください。

1. コーチングの効果とは?

まず、「コーチングの効果」とは何でしょうか。目標を達成すること、自分や他者、状況などが変化をすることなど最終的に得られる成果はクライアントの目的やコーチの専門領域によって様々ですが、共通するのは「今(これまで)とは何かが変化すること」です。「何か」というのも色々ですが、結果の元には行動があり、行動の元には意識があります。本人が気づかないけれど、無意識の領域が書き換わり、その結果行動や結果が起こるという場合もあります。

いずれにしろ、深くたどると「認識や認知が更新される」というのが、様々な手法を問わず、コーチングに共通する効果と言えます。

「更新される」と言うと大げさですが、「モチベーションが上がる」「自分のダメだと思っていたところも認められるようなり自信が持てる」というようなことから、「今までとは違う視点で物事を見ることができるようになった」「メンタルブロックが外れた」というようなことも、ある物事や自分自身に対する認識や認知が更新されることによって起こることです。

2. 「認識や認知が更新される」ために必要なこと

では、認識や認知はどうしたら更新されるのでしょうか? 

今まで「こうだ」と思っていたものが「そうではないかもしれない」になるために、まずは「こうだ」と思っていることを客観的に捉える必要があります。無意識の領域に直接アクセスするアプローチではこのプロセスなく、書き換えだけが行われる場合もありますが、多くの場合は話をしていくうちに自分が持っていた思い込みに気づくというのが、認識や認知が更新される第一歩になります。

次に起こるのは「揺れ」や「揺らぎ」です。「自分はこうだと思っていたけれども、それは常に当てはまるわけではないかもしれない」「違う選択肢もあるかもしれない」そんな風にゆらゆらと思考や意識の揺れが起こります。そしてやっと、認識や認知の更新が起こります。

思考の揺れが起こるために大切なのは「余白」と「柔らかさ」です。「遊び」と言ってもいいかもしれません。体がガチガチに固まっているといつもとは違う姿勢や体勢ができないのと同様、思考や心が固まり、その周辺に余白がない状態だと揺れはなかなか起きません。

例えば、「自分のことを認めてほしい」という気持ちが強いと、そのことで無意識に頭はいっぱいになります。まずは今の自分を分でを認めることができて、はじめて、余白や柔らかさは生まれます。

また、人は、「分からないこと」にはネガティブな想像を働かせやすいと言われています。「この人は何を考えているのだろう」「これを言ったらどうなるだろう」そんな言葉で頭の中がいっぱいになると、他の可能性を考える思考の余白はなくなってしまいます

分からないことをネガティブな想像で埋めるのは、ある意味人間が安全に生きていくための防衛本能であるとも言えます。人の思考が「固く」なるのも同様です。何かをするたびにああだこうだと考えていてはいちいち時間がかかってしまいますし、他者や環境から素直に影響を受けることには危険が伴うと感じる場合もあります。基本的に人は今の状態から変化を起こしたくないというのは、人間が自分を守るための自然な性質でもあります。

3. 人の意識に影響を与える4つの要素

ここで、思考や意識に「揺らぎ」が起こるための要素を4つの象限に分解して見ていきましょう。クライアントの意識に影響を与えるものを、クライアント自身のことかクライアントを取り巻くものか、内面的なもの(目に見えない・計測不可)のものか、外面的なものか(目に見える・計測可能)に分けてみます。

クライアント自身の内面的(見えないもの)なものはクライアントの心の状態、クライアントを取り巻く内面的なもの(見えないもの)は、クライアントとコーチの関係性です。クライアントの心の状態を直接的に変化させることはできませんが、コーチはクライアントが安心して話すことができる関係性を率先してつくっていくことはできるでしょう。

ここがなければコーチングそのものが成り立たないと言っても過言ではありません。「コーチはリソースフルである」(クライアントの前進に必要な在り方やスキルを発揮している)というのはオンラインコーチングに限らず、大前提とも言えます。(なのでこれは、今回の結論ではありません。)

クライアントの外的なものは、クライアントの身体の状態です。疲れが溜まっていたり、体調不良では本来持っている思考や感性を十分に発揮することはできません。「人と対話をすることができる身体の状態である」というのも大前提と言えば大前提です。

これは一見、コーチは関与することのできない領域のように思えますが、そうとも限りません。クライアントが緊張感を持っているとき身体はこわばってしまいますが、対話を通じて緊張感を解くことができれば身体のこわばりも解けていくでしょう。クライアントの呼吸が浅くなったり心拍数が上がっているときは、呼吸や瞑想などで身体の状態が落ち着くことを支援することもできます。

また、ゆっくりと対話をすることによって脳波を、左脳が優先になりβ波が出ている緊張状態から、落ち着いてリラックスしたα波、さらにはひらめきが起こりやすいθ波の状態に変化させていくこともできます。脳波は伝播するという説もあるので、私も日々、できるだけ静かに落ち着いて生活をし、ゆったりとした脳波の状態で過ごすようにしています。ある意味これも「コーチがリソースフルな状態である」と言えるでしょう。

4. そこは「裸でいることのできる環境」ですか?

心と身体の状態、そしてコーチとの関係性・コーチの状態、それに加えてクライアントの意識の状態に大きな影響を与えるのが、環境です。この場合は、「どんな空間に身を置いているか」とも言えます。

コーチングで交わされるものは対話という目には見えないものですが、その中身は、クライアントにとってとても大切な、時にはこれまで誰にも話したことがなかったようなことが含まれる場合もあります。普段言葉にすることがない深い領域にあることを言葉にするからこそ、大きな気づきにつながるとも言えるでしょう。そのため、「心が裸になれるかどうか」が、コーチングの効果を高める大事なポイントになります。

私がこれまで様々な方とご一緒してきて、コーチングの効果が高かった・コーチングを上手く活用してくださっていると特に感じる方の共通点は、「セッションの際に一人で落ち着いた環境が確保できている」ということです。それはある意味、それだけのコミットメントが高いという言い方もできるかもしれませんが、それだけではないように感じます。

最初のクールでは職場でセッションを受けていたものの、次のクールではご自宅からセッションを受けるようになったところ、それまでは話題にのぼることのなかった職場の親しい方の話からご自身の深いところにある価値観やその出どころに行き着き、考え方の選択肢が広がり、行動が変わったという方も少なくありません。これも、セッションを重ねた結果の変化と言うことができますが、同じ期間セッションをしても、セッションを受ける環境が違うと、その結果にも大きな違いが出てくるということは強く感じています。

例えばマッサージやエステで衣服を脱いで施術を受けるとき、周りに人がいて、ガヤガヤと物音がしていたら落ち着かないですよね。同様に、自分自身の大切な話をするのに、周囲に人がいたり、物音があると、人は無意識に防衛的に防衛的になり、本当に大切なことに行き着くこともそれに揺らぎが起こることも難しくなります。

特にプロセスワークなど身体を使うタイプのアプローチをするコーチングの場合は、人の目が気になる環境の中では身体の動きから無意識の領域にアクセスすることは難しくなるでしょう。

身体を使うワークでなくとも、コーチングセッションをホテルのロビーやカフェなどで受けたことがあるけれど何か落ち着かなかったというご経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一人一人、これまで歩んできた人生、そして現在の状況や状態も違うので、何が効果を高める要因だったかというのは一概には言えませんが、「落ち着いて話ができる環境であるほど、自分自身の本当に深いところと向き合うことができる」というのは今のところ共通して言えることだと感じています。

もちろん、周囲に人がいる・人が来る可能性がある場所でも、ご自身としっかり向き合うことができる方もいますが、それは、それだけ、目の前のことに集中する力が高い場合や周囲の環境から影響を受けない強い自分を持たれている場合だと感じます。

5. オンラインという便利さの中で後回しにされているもの

ある先輩のエグゼクティブコーチは、セッションの際はいつも、見晴らしのいい個室を用意していました。私がお世話になっている日本のコーチの一人は、セッションルームは気の通りがいい場所に設け、部屋の中には水晶など、その場所をパワースポットにできるようなアイテムが置かれています。

このように対面であればセッションの環境を最良な状態に整えることをコーチが自ら行うことができましたが、オンラインのセッションの場合、どのような環境でセッションを行うかはクライアント側に委ねられてしまいます。

オンラインで手軽にコーチングを受けることができるようになりましたが、残念ながらまだコーチングを受ける環境にまでは気が配られていないなと感じることが多くあります。「気軽に受けることができる」だけに、「環境も気軽なものになってしまっている」というようにも感じます。これは、個人の方だけでなく、企業内でオンラインコーチングを受ける場合も同様です。周囲に人がいたり、途中で誰かが入ってくる可能性がある中で、どれだけ落ち着いて話ができるでしょうか。

改めて、あなたが今オンラインコーチングを受けている環境・これからコーチングを受ける環境、あなたのクライアントがオンラインコーチングを受けている環境はどのようなものでしょうか? 心が裸になれる環境ですか? 「心が裸になれるかどうか」は「その場所に裸でいることができるか」が分かりやすい基準になるかもしれません。

<オンラインコーチングに適した環境>
・物理的に個室として区切られている
・外に声が漏れない、外の声が聞こえてこない
・快適だと感じられる物理的な余白や広さがある
・温度が適切である

<オンラインコーチングに適さない環境>
・パーテーションだけで仕切られたような他者に話が聞こえるスペース
・カフェや事務所の一角など、物理的に区切られていないスペース
・周囲の音が聞こえるスペース
・行き交う人が見えるガラス張りの会議室
・突然人が入ってくる可能性がある場所

もし、「環境は整っているのに」という方は、その他の、心の状態・身体の状態・関係性のどれかが、まだ整っていないかもしれません。

6. 静かに落ち着いて、でも話ができる場所ありませんか?

と、書いてきましたが、よく考えると、一人になれて、静かで、でも話ができる場所ってなかなかありませんよね。職場だとなんだか落ち着かないし、家では一人になれるスペースがないし、「サードプレイス」と呼ばれる場所も街中だと人がいっぱい。静かなカフェは、その中で話をするとむしろ周囲に迷惑になってしまう…。コワーキングスペースなどの会議室は使用料がかかる…。

私も日本や欧州で様々なコワーキングスペースなどを利用してきましたが、本当に落ち着いて話ができる個別スペースがある場所でここだ!というところを見つけられていません。普段はオフィスとしても使用しているオランダの自宅か滞在先のホテルからオンラインセッションを提供していますが、企業に勤めている方・もしくはフリーランスの方でも、落ち着いた環境を確保することは難しいということをつくづく感じます。

「クライアントさんが身を置く環境に作用される」というのはある意味今の私のコーチとしての限界とも言えますが、ご自身やクライアントがセッションを受ける環境を整えることで、少しでもコーチングの効果を高めていただけるといいなと思っています。

そのため、もし、「ここは一人になれるし、静かだし、話もできますよ」という場所があればぜひ教えていただきたいです! 今後、コーチングのクライアントさんにご紹介をさせていただければと思います。

日本にいるときは2ヶ月に1回、北鎌倉にある「たからの庭」というところに煎茶のお稽古に行っていて(そこは浄智寺さんの奥だったのでスマホの電波も入らず)、それが心を整えるとってもいい時間だったのですが、そんな感じで、できれば都心から1時間くらいで行けて、身体が解放されるような気持ちがいい環境で、そんなところに2,3ヶ月に1回でも行って、静かな対話の時間をオンラインで持てるようなパッケージを今後作っていけたらいいなと思っています。一人旅も好きだけど、そんな中でぽこぽこ浮かんできたことをぽつぽつ誰かに話すのもいいなあなんて思ったりして。

オランダでもそんな場所をつくっていけたらいなと思っていますので、日本の「静かで心地よくて、話もできる場所」とつながりのある方、おすすめの場所がある方、オランダでの場づくりに興味がある方、オランダにいらっしゃる予定で、その機会にご自身と向き合う時間を持たれたい方など、気軽にコンタクトをいただけると嬉しいです。

オンラインコーチングの話からすっかり長くなってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございます。今度はあなたの話をお伺いできることを楽しみにしています。

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