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「ありのままの自分を受け入れることを、 どうしたら後押しできますか?

本日は、新米コーチからのご質問です。
ご相談いただいた内容の詳細は省略いたしますが、「自己受容」というテーマについて考えていきたいと思います。

「自己受容」がテーマになるケースの例
・クライアントが「○○という目標を達成したい」と言っているが「達成しないといけない」と焦っているように感じる
・クライアントの目標達成の基準が、社会的な評価や地位・収入を得ること
・クライアントはすでに多くの努力をしていて、能力も高いが、「自分はまだ幸せでない」と感じている
etc…

1. なぜ自己受容が必要か

まずはなぜ上記のようなケースの場合、クライアントの「自己受容」がテーマとなるかを考えてみましょう。

クライアントの目標が明確ならそれでいいじゃないか。

と思われるかもしれません。

目標が明確なら、そこまでの行動を設定して、実行して達成すればクライアントは満足すると思いますか?

実はそうではありません。

多くの場合、クライアントが思い描く目標は、本当の目標ではありません。クライアントは、自分自身が満たしたい何かを満たすための手段としての目標を掲げる場合がほとんどです。

なぜかと言うと、自分自身が本当に満たしたいものを深掘りすることができていないか、もしくは、自分自身が本当に満たしたいものから目を背けているためです。

目標達成の基準が、社会的な評価や地位・収入である場合、「他者に認められたい」という思いがその根底にはあるのではと思います。「他者に認められたい」という思いを持つこと自体、悪いことではありません。しかし、社会的な評価や地位・収入を手に入れたときに、果たして本当に「他者に認められた」と満足できるでしょうか。地位や収入が上がるほど「上には上がいる」と気づくことになるでしょう。他者から認められることでしか自分を満たすことができない場合、自分の心を擦り減らして頑張り続けなければならないかもしれません。

「他者から認められたい」と思う根底には「自分自身が自分を認められていない」という気持ちがあるのではと思います。自分で自分を認めることができない限り、クライアントは目標を達成できたとしても、本来手に入れたかった感覚を手に入れられないのではと思います。

2. 自己受容と自己評価

人が自分自身に対して持つ評価、いわゆる自己評価には2つの種類があると言われています。

①自分自身の能力に対する評価:セルフ・エスティーム(自尊心)
②自分自身の存在に対する評価:セルフ・エフィカシー(自己肯定感)

自分自身の能力に対する評価がどんなに高くても、自分自身の存在に対する評価が低い場合、自己受容をすることができません。

むしろ能力を高め成果を出すほどに「本当の自分は人には認められていない」という気持ちに陥る場合もあります。しかし、その構造に気づかず「もっと認められれば満足するはず」と、さらに能力や成果を高めようとしてしまいます。これではやはり、いつまで経っても満足することがないでしょう。

自己存在を否定される経験をしてきている場合、自分の能力を高めて人に認められようとすることが身についている場合もあるかもしれません。それはそのときの自分を守るために必要な行動だったとも言えます。しかし、現在の自分にも同じことが本当に必要でしょうか。能力を高めたり成果を出さないと、本当に存在が認められないのでしょうか。

そもそも、他者が自分を認めてくれるかどうかというのは極論分かりませんし、それを操作することもできません。自分のことを、認めてあげることができるのは、まず自分自身ではないでしょうか。

3. 自己受容が必要な人にコーチとしてできること

自己受容をしていない状態は、水の入ったビニール袋に小さな穴が空いていて、そこから少しずつ水が漏れ出しているような状態でもあります。その状態では、クライアントは本来持っている力を存分に発揮することはできないでしょう。

「自分を受け入れるかは自分次第」とも言えますが、では改めて、コーチはそんなクライアントに対して何ができるでしょうか。

コーチができることは、「クライアントの存在そのものを受け入れること」です。

これは「クライアントが存在そのものを受け入れられたという体験をつくること」とも言えます。

セッションという、共に過ごす時間の中で、「存在そのものを受け入れられたという体験」をつくることができたら、それはクライアントにとって大きな後押しになるでしょう。

では、「存在そのものを受け入れる」というのはどうしたらできるでしょうか?

「あなたの存在そのものを受け入れていますよ!」と言うことでしょうか。

そうではないですね。それは、「クライアントの体験や想いを、そのままに聴く」ということです。クライアントは、自分が努力したこと、結果を出したことを話したがるかもしれません。そうしたら、ぜひ、そこから色々なことを聞いてみてください。

・そのときどんなことを感じたのか
・どんなことが一番大変だったか
・どうしてそのとき諦めずにいられたのか
・そのときの体験は今にどんな影響を与えているか
etc…

おそらく、クライアントは、自分の能力や成果についてはこれまで繰り返し人に話してきているはずです。だから、まだ誰も聞いていないこと、まだ本人も口にしたことがないようなことを聞いてみてください。

クライアントが説明的に話しているときは、まだ、すでに用意していた答え、考えたことのあることを話しているときです。説明的ではなく、体験的に話してもらえるように、クライアントが感じてきたことを一緒に感じて、そこから質問をしてみましょう。

たくさんの質問を持っていなくても大丈夫です。大切なのはクライアントの言葉の一つ一つを聴くこと。そしてその言葉の一つ一つの意味を「分かった気」にならないことです。

一般的に使われている言葉も、それはどういうことなのか尋ねることができます。
クライアント独自の表現も、それはどういうことなのか尋ねることができます。

もし、途中でクライアントに対して批判的な気持ちが出てくることがあったなら「自分自身の基準に照らし合わせて聞いていないか」ということを疑ってみてください。

コーチが自分自身の基準に照らし合わせているうちは、クライアントは余計に自分の能力や成果を示したくなってしまうかもしれません。

4. 「いまここ」の体験こそがクライアントとコーチがつくり出すもの

相手の存在そのものを受け入れていることを伝えることに結びつくもう一つの大切なことは「自分自身が今この場で受けた影響」を伝えることです。
ポイントは、影響を受けた対象を、相手の能力や成果ではなく、在り方や感情にフォーカスして伝えることです。

「たくさんの苦労を乗り越えて今ここにいるあなたとご一緒できていることを改めて嬉しく思いました」
「あなたの想いが、○○な人にもっと届いて欲しいなと私も思いました」
「あなたの苦しかった気持ちを想像して、私も胸が苦しくなりました」

もちろん、あなたが、本当に感じたことでないと意味がありません。
もしあなたの心が動いていないなら、あなたはクライアントの話を聴くのではなく、評価や診断をしようとしているかもしれません。

あなたが、クライアントと時間を共にし、その話や生き方から受けた影響を伝えることは、クライアントにとって何よりのギフトなのではと思います。

ところで…

あなたは、ありのままの自分のことをどのくらい受け入れていますか?

あなたが、クライアントに望む姿は、あなた自身が自分に望む姿かもしれません。

「自分の基準を重ね合わせていないか」
「自分の望みを重ね合わせていないか」

自分を受け入れることができるほどに、これらを手放すことができるのではと思います。

またぜひ、お話聞かせてくださいね。 

*実際に個人的にいただいたご相談を元に相談者の許可を得て、ご相談内容を編集したものに回答を記載しています。通常のコーチングセッションでは、お悩みの相談をお受けすることやアドバイス・セッション内容の公開は行なっておりません。

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